天王山への道
宝積寺(寶寺)の裏手から表に廻ると、参ってないのに蜜柑の小袋を貰う。本当に運が開けるのか、バチが当たるのか、微妙だと思いながら、なかなか良くできた三重塔を近くで眺める。これが鎌倉時代というのだから、全くこの辺の山は。

ここからは登山。思ったより急な坂だ。息が切れる。汗が。
しまった。電車に乗る前に飲んだ振舞い酒が激しく効いて、もうヘロヘロ。山頂まで辿りつけるか、急に不安になる。くそー、どうして清酒なんだ。ふつう甘酒じゃないのか。いやあれはえべっさんか。下らんことを考えながら、随所にある歴史の道の案内板を、長過ぎる休憩を兼ねて読む。早速蜜柑の出番も。桂川、宇治川、木津川の三川合流を眺めたり。何故か堺屋太一(だったか)が書いている。天王山の合戦って、山の上で戦ったのではないのか。しばし御勉強。
旗立松や十七烈士の墓を通り、酒解神社で舞い戻りかけながら、山頂に辿りつく。
礎石らしきものがたくさん。落葉で半分埋もれた井戸跡。朽ち果てて、オブジェと化した鉄のごみ箱。

下りは昔から早い。
あっという間に観音寺(山崎聖天)。立派な灯籠。池は凍っていて、でも鯉は泳ぐ。見ているだけで寒々しい。こちらは甘酒が振る舞われている。が、ささやかな教訓を胸に、我慢する。

帰り道、Amnesiacをwalkmanで聴き始めたら、煩悩が1つずつ消える気がした。

2002. 1. 3.

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