せめて暖かい夢を見て
アインシュタインは、かつて語った。
「第三次世界大戦が、どういったものになるかはわからない。しかし、第四次世界大戦で使われる武器は、わかっている。それは、石とこん棒だ。」

幸か不幸か、世界はアインシュタインが考えたものより複雑になった。

憎しみなしに、一体誰が、旅客機を乗っ取りビルへ突っ込んだりするというのか。
この憎しみが、どうして生まれたのか、アメリカにはわからないのか。

真珠湾で、一体何を学んだのか。
ベトナム戦争で、一体何を学んだのか。
湾岸戦争で、一体何を学んだのか。
ベルリンの壁が崩れたとき、一体何を観ていたのか。

人の心に、国家は勝てないのに。


〜 〜 〜


ハイジャックといえば、亡命の手段だった。
しかしこれからは、製造費ゼロの、ビルをも崩せる武器だ。

時刻、場所、手段、その宣伝効果、アメリカの反応、その後に起こること、更にその次まで、全て計算されている。
素晴らしい知性だ。

どうして、世界は、この知性を、プラスのものとして、生かすことが、できなかったのか。

かつて、ハイジャックは、発明された。

語り継がれていくことだろう。
世界が終わるまで。


願わくは、このかなしさの、世界からなくならんことを。