「牛と人間」
<<インド>>--ヴァラナシ--


土を運ぶ男たちの後をゆっくりと着いて行く牛の姿。

のんびりと道路をうろつく牛と、労働に励む人間と、どちらが楽なのかと考えてしまうような光景である。

インドでは牛は神様扱いだから、当然の事のように誰もこの光景を不思議がる人はいないが、他国から来た我々には、慣れるまでしばしの時間が必要である。

インドの何処へ行ってもこの光景は日常であり、この牛の持ち主が誰であるのか、牛を連れて歩く姿を見たことが無いから、夜になったらこの牛は何処に行くのだろうと、気になってしまう。

飼い主は必ず居る筈であろうから、やがては牛舎に戻るのであろうが、彼が自分で家に戻る事が出来るのかどうか、不思議でならなかった。