「朝のひと時③」
<<インド>>--ヴァラナシ--


一人椅子に腰掛けて、周囲を見張る老警官の姿。

彼は若い警官たちの中に混じって、司令官的立場なのであろうか。

目付きは鋭いが、端然とした姿は、人を包容するだけの度量が有りそうである。

綺麗に磨き上げられた靴や、ベレー帽に合わせた靴下など、身だしなみにも配慮されている。

何も起こらなければ、退屈な勤務であろうが、ムンバイで起きたテロ襲撃事件のように、ひとたび事が起これば、死命を賭して事に当たらなければならないのだろう。

だから、ゆったりした態度の中にも、眼だけは鋭く周囲を見張っている態度が見受けられた。