「牛の群れ」
<<インド>>--ヴァラナシ--


我々の前方を道幅一杯に広がっていく牛の群れの光景。

一難去ってまた一難、やっと泥水の道路を通り過ぎたと思ったら、今度は牛の群れである。

我が物顔にのんびりと歩くこの牛達を、すり抜けて行くにはかなり勇気が要る。

国会で牛歩戦術と言うのがあるが、正に牛歩とはこの事を言うのだろう。

インドの牛は人間に神様扱いにされているから、スペインの牛のように荒々しくはないが、それでも放し飼いだからこの間を行くのはちょっと躊躇してしまう。

車が来て、牛が片側に寄った隙に、すばやく車の後ろに付いて、牛の群れをすり抜けたのであった。