「泥濘の街②」
<<インド>>--ヴァラナシ--


泥水を避けながら、やっと街の繁華街に差し掛かった。

しかし此処から先どう行けば良いのか、足場を探し躊躇することも暫しであった。

私の白い短パンは、オートリキシャなどに泥水を掛けられ、シミがあちこちに出来た。

こんな中でも地元の人々は、別に驚いたり嫌がったりする様子も無く、適宜に状況に対応しながら通り過ぎて行く。

我々がインドを訪れたのは、雨季の最中であったから、こんな状態は日常茶飯事なのであろう。

しかし幸いにも、私は自分でも感心するくらいの晴れ男なので、インド訪問中にほとんど雨に降られなかったのは、奇跡と言っても良いくらいの出来事であったのだ。

此処でも環境に適応して生きる、インドの人々のパワーには、驚かされたものである。