「発射用意!」
<<日本>>--川越--


先頭を切る大将の号令の下、火縄銃に弾を込める銃士。

鉄砲隊が持っている火縄銃は、嘗て使用された本物の鉄砲である。

銃弾の入っている腰に下げた小箱から丸い火薬弾を取り出し、舌で舐めてから銃口に装填し、銃の横に付いている棒で弾を銃口の根元まで押し込めるのである。

どうやら銃弾を舐めるのは、球を銃口の奥までスムースに装填する為なのではないかと思われるが、定かではない。

嘗ての火縄銃が銃弾を装填するのに、現代の銃のように元込め銃でなく、銃口の先から弾を込める先込め銃であり、その一連の仕草が実に興味深いものであった。

この後「構えっ!」の号令の下、撃鉄を上げ、火の点いた火縄を撃鉄の脇にセットし、引き金を引く準備をするのである。