「航跡」
<<日本>>--川越--


舟遊びの小舟が通り過ぎた川面に、花びらの絨毯を掻き分けた航跡が残る。

満開の時期をちょっと過ぎ、風で舞い落ちた花びらが、川面一面に敷き詰められている。

表現はちょっと異なるが、まるで南極の砕氷船が、流氷を掻き分けて行くような感がある。

この時から既に日にちは6日過ぎた。

華やかだった川越の新河岸川のこの周辺は、今は訪れる人もまばらで、桜の新芽が出て、次の新緑の時期を迎える準備をしている頃だろうか。

世の中は3日見ぬ間の桜かな、の句がぴったり当て嵌まる頃であろう。