「花売り娘」
<<日本>>--銀座--


夜も更けて、前出の裏通りの交差点も、夕暮れ時とはがらりと様変わりした。

我々もそろそろお開きにしようと思う時間となり、道路には帰宅を急ぐ銀座族のタクシーが走り抜ける。

昔は、こんな裏通りの街角に、花売り娘や露店の花売りが出たものだが、最近は軽トラックの屋台になったようだ。

銀座の花売り娘は、昔懐かしい流行歌にもなったくらいで、それが今でも続いているようである。

私も現役時代は、行き付けのスナックのママさんの誕生日や開店記念日などには、こんな街角の花屋から花を買って持参したものである。

しかしこうして、街角の屋台の前で、お客を待つ若い花売り娘の姿を見ると、何がしかの哀愁を感じるのは、秋の宵だからであろうか。