「日御碕」
<<日本>>--松江--


ようやく島根県最西端の日御碕(ひのみさき)に到着した。

駐車場からこの岬の先端までは、曲がりくねった坂道を下るのだが、その道の両端には沢山の土産物屋が軒を連ねている。

土産物屋の店先では、イカの丸焼きやサザエのつぼ焼きなどを、コンロで焼いていて、香ばしい匂いが漂い、おばちゃんたちが盛んに呼び込みをしている。

しかし、余りにも強い風で、体を前かがみにして歩かないと吹き飛ばされそうで、店先に立ち寄る気持ちにならない。

やっとこの岬の先端に辿り着いた時には、髪の毛がぼさぼさになり、立っているのがやっとであった。

断崖の隙間から覗く海は、此処が自殺の名所かと思われるほど、恐ろしい光景である。

しかし時化た海の先には、巨大な貨物船が微かに見え、こんな厳しい海でも航路は有るのだなと、実感した。

あの店先で魚介類を焼いて売るおばちゃんたちは、毎日こんな厳しい環境の中で、逞しく生きているのだなと、生命力の強さに、感動したのであった。