「朝日の当る家々」
<<スペイン>>--マドリッド--


街路の周辺は、まだ早朝なのでひんやりとしているが、マンション群には朝日が当り、この日の暑さを予感している。

マドリッドの市街地も、我々の住む住環境と同じで、これらの家々には住民が居て、我々の日常と同じように、仕事に出掛け、一日が終わるとまた家族の居る家庭へと戻ってくるのだろう。

こんな光景を見ていると、国は違っても、同じ人間の営みが有るんだなと思うと、旅に出ている事を忘れ、妙な実感が湧いてくる。

陽はまた昇る、という小説が有ったが、人間は毎日毎日繰り返す生活の中に、喜怒哀楽を篭めながら年老いて行くのだろうか。

観光地でないマドリッドの朝に、そんな感傷をちょっと思い起こす時間帯であった。