「戦艦ミズーリ号⑦」
<<ハワイ>>--オアフ島--


ミズーリ号の司令塔下の甲板で行われた、降伏文書調印式の各国代表の直筆のサイン。

一番上に重光外相、次に梅津陸軍参謀総長、連合国代表でマッカーサー元帥、そして各国代表のサインが続く。

実はこの調印式の時、アメリカ代表者が一段下の欄からサインを始めたため、最後のニュージーランドの代表の記入欄が無くなってしまい、欄外に記入してしまったのだという。

ニュース映画などではその場面は出て来ないから、そんなエピソードが有ったとは、ガイドの説明を聞いて初めて知った次第である。

従って、此処に記入されているサインは、もう一度用紙を変えて、再度書き直してもらった物なのだという。

世界の歴史に残る調印式の場面でも、ミスをする人間は居るようで、その話を聞いて、思わず苦笑したものである。

しかし言われて見れば、代表者の目次の下の欄に自分の名前をサインするのが通常のようであり、我々が日頃様々な申告書にサインをする場合でも、記名捺印欄が上に有るのは紛らわしいかもしれないと感じて、同情の念を禁じえなかった。