「ある光景」
<<インド>>--ヴァラナシ--


一見何の変哲も無い街角の光景だが、良く見るとインドの実態が垣間見える。

石の壁一杯に貼られた映画などの広告の数々。

その端には丸裸の少年が、壁の端から家の方を覗き見ている。

破った広告紙で下半身を覆っているのは、微かな羞恥心の表れであろうか。

家の前では、青空床屋で、髪か髭を剃ってもらっている男の姿が見える。

この裸の少年は、一体何を見ているのだろうか。

見ようによっては、何か食料になるものは無いかと、探しているようにも思える。

インドでは、このような光景を随所で見掛けるから、日本の現在の不況とは、比較にならない貧しさが現存しているのが実態である。