「見詰める目」
<<インド>>--デリー--


男の子の何人かが、車の近くに来て覗き込んだ。

私の持っている小型のビデオカメラにとても興味が有るらしい。

しかし、後ろに居る子は明らかに反抗的な顔付きである。
前席に居るガイドのアラムさんが、窓のガラスを閉めてくださいと注意した。

と同時に、子供達に向かって、アラムさんが大声で何かを言った。
何を話したのかは、インド語で知る由も無い。

前の二人は車を離れたが、後ろの子が近付いて来て、窓ガラスをドンドン叩きだしたのだ。

この子は、私のビデオカメラを取ろうとしたのだろうか。

一連の出来事は、車が停車したほんの数分の事であったが、全ての子供達が、異国人に対して友好的とは限らないようである。

やがて車は走り出し、お互いに彼等と手を振り合いながら、その場を後にしたのだった。
この子が、他のたくさんの善良な子供達に同化して、良い子になることを望みたいものである。