「供物」
<<インドネシア>>--バリ島--


自分の家の張子と遺体に備える、様々な供物を運ぶ人たちで、ごった返している光景。

故人と共に荼毘に付す、これらの張子の動物を作るだけでも、かなりの費用が掛る事であろう。

亡くなった時に自分の墓に土葬をして葬式を済ませ、更にこの日に一斉に行う火葬式に遺体を運ぶのだから、大変な作業である。

ワヤン君の話だと、1年近く前に亡くなった遺体は、ほとんど白骨化されているが、直近に亡くなった人の遺体は、甚だしい異臭がして掘り起こすのに気持ちが悪くなる人も出るとの事であった。

昔からの風習とは言え、日本のように故人を直ぐに火葬に付す葬式とは大分様子が違うようである。

しかし人間の死というものを、直接実感するバリの風習は、人間も自然の中で生息する動物の一つだと言う点で、生の実態に即しているようにも思えるのである。