「老舗②」
<<日本>--川越--


川越の老舗鰻屋の店内の様子。

店の入り口から店内を通してずっと先の中庭に有る蔵まで、このトロッコのレールは続いている。

たぶんこの店の鰻を食べにくるほとんどのお客は店内を貫くこの二本のレールに気が付かないか、気付いても関心を示さないのではないかと思うくらい、古い店内の様子と違和感無く調和していると感じていることだろう。

川越生まれの私は、子供の頃から川越に慣れ親しんで来たので、このお店に限らず、川越の老舗の商家には、今でもこのような店先から裏の中庭に通ずる蔵までトロッコのレールが残っているのを知っている。

厨房の先に有るトイレに行く時に店の若い男性店員にこのレールの事を聞いたら、誇らしげに此処の店は昔から米問屋として栄えていた名残なんですと、嬉しそうに話してくれた。

店の経営者のお客に対する店員教育が行き届いていることを実感したのであった。