「遺跡の中」
<<ベトナム>>--ミーソン--


朽ち果てた遺跡の中から、窓越しに外の光を撮った。

石で作られた館の中は、多少涼しいが、かび臭さが充満している。

窓の格子や石壁には、無数のカビが蔓延っている。

白かび、青かび、赤かび、黒かびなどだが、黒かびが一番古いカビであり、これが蔓延すると、石と言えども崩れ落ちるほどの強力さが有ると、カンボジアの遺跡群を訪れた時に聞いたことがある。

同じカビでも、様々な種類が有り、年代により異なると言うから、興味深い。

それにしても、嘗ての王宮の生活は、現代から見ると、さぞかし暮らし難くかったと、思わざるを得ないのである。