「行き交う船②」
<<ベトナム>>--ホーチミン--


今度は上流の方から、細長い木造船がやってきた。

何だか如何にも生活臭が滲み出ている船である。

長い竹竿には、洗濯物などが干してあるようである。

一段低くなっている、屋根の付いた船底の部分は、寝泊りが出来るようになっているのだろうか。

一体この船は、何を生業としている船なのであろうか。

物資を運ぶのが目的でも無さそうだし、漁船の感じもしない。

たった一人船べりで座っている男性は、ぼんやりと船の進むのに身を任せているといった風情である。

この船の上で生活をしている水上生活者なのか、それとも中州に有る土産物屋に、商品を運ぶための運搬船なのであろうか。