「ラ・マンチャの街」
<<スペイン>>--ラ・マンチャ地方--


マドリッドから約2時間、バスは盆地の中のラ・マンチャの街へと入って来た。

ご存知の方も多いと思うが、ラ・マンチャの小高い山の上には、ドンキホーテが怪物だと思って、飛び掛った大きな風車が有る街である。

この街は人影がほとんど無く、まるで街全体が昼間なのに、眠りに付いているような、閑散とした街の様子である。

おまけに細い街の中心道路の先には、右手に微かに見えるように、クレーン車が何かの作業をしているように横たわっており、その作業が終わるまで、バスは待ちぼうけを食わされる羽目になる。

やっとクレーン車が動き出すまでの間、約15分くらいバスはストップしたままであった。

それが当たり前と言わんばかりの、時間がのんびりと過ぎているような、街の光景であった。