「斜光」
<<スペイン>>--クエンカ--


細い街の中の坂道を登る途中で見上げた街の光景。

午後の太陽が石壁に当り、窓の先に干した洗濯物が揺れ、この街の穏やかな生活が垣間見られる。

建物の間には、スペインの真っ青な空が広がっている。

屋根の上から等間隔に下がっている細い紐は一体何に使われるのであろうか。

暑い西日を遮るのに、葦ずが用いられているのは、日本と同じである。

そろそろこの石段の坂道も、終わりに近付いたようである。

この先には、どんな街の光景が展開するのか、最後の力を振り絞って家の間を登っていった。