「車窓風景⑥」
<<スペイン>>--バレンシア--


今度は緑の畑と、刈り入れの終わった茶色の枯れ穂の大地とが、半分ずつの光景。

見ていて小気味が良いくらいの、反対色の色彩が展開されている。

こうして5時間ものバスでの長旅も、私にとっては、少しも飽きる事のない移動時間である。

バスに同乗している大半のツアーメンバーは、心地良い揺れに誘われて寝ているようだが、私は日本と違う光景を少しでも見逃すまいと、ビデオや写真を撮り続けているのである。

その分、夜は寝酒を摂ると直ぐに眠くなり、熟睡が出来ると行った具合である。

旅の楽しみ方は、人によって異なるが、私の旅先での過ごし方は、いつも変わることは無いのだ。