「街角寸景③」
<<スペイン>>--バルセロナ--


5人組の若い女性たちが私の前にやって来て、土産物店の前に貼ってある広告を見ながら、何やら話し込んでいる。

彼女たちが覗き込んでいる、サグラダ・ファミリアの写真の下にある碁盤の目状の物は、バルセロナの街の名所旧跡をアルファベットで示したものである。

例えば、サグラダ・ファミリアの頭文字はSである、こうして自分の名前をそこの場所を訪ねて、そこの近くの店でそのアルファベットを購入して、揃えると言った具合である。

その事を、旅行通のツアーメンバーのおじさんから教えてもらった。

彼はもう既に、自分の名前の半分を購入しており、その綺麗なアルファベットの花文字を見せてくれたものである。

それにしても、若い彼女らの一人が、胸のブラジャーの所をポケット代わりにしている姿を見て、つい銀座のホステスさんを思い出してしまった。