「路地裏⑤」
<<インド>>--ヴァラナシ--


今度は犬が家のドアの前で陣取っている。

放し飼いの動物があちこちにたむろしているのは、日本では見掛けなくなった光景であろう。

文明国では、動物のペットとしての存在が当たり前となり、放し飼いは禁止になってしまったが、私が子供の頃は、動物も仕事をする一員として共存していたものであった。

それが人間の孤独な心を癒すペットとして、人間同様の愛情の対象となったのは何時頃からだろうか。

インドに限らず後進国ではほとんどの動物たちは、今でも放し飼いである。

こんな犬の姿を見ると懐かしく感じるのは、私が年を取ったという事だろうか。