「道の真ん中で」
<<インド>>--ヴァラナシ--


この黒い牛は一帯何を瞑想しているのか。

道路の真ん中で、小用を足した後、目を半眼に開いて、モウと啼いていた。

何かを要求しているようだが、彼の気持ちは知る由も無い。

見ようによっては汚い光景だが、インドの人々には日常の事なので、何も感じないのであろうか。

このように何処へ行っても、放し飼いの牛が居るのは、我々にとっては極めて非日常の事だが、これがインドでは日常の姿なのだから、国によって習慣とは不思議なものである。

豚肉や鶏肉は平気で食べるインド人は、牛乳は飲むが、牛肉は決して食べないと言うのも、おかしな話ではある。

もっとも、どの牛も痩せているので、あまり美味そうではないが…。