「姉妹③」
<<インド>>--ヴァラナシ--


二人の姉妹を撮影していたら、彼女たちのお父さんがやって来た。

何処から現れたのか全く気付かなかったが、妹の方が洗濯した衣服を彼に見せたら、笑顔で頷いていたので父親だと分かった。

私が彼女たちを撮った写真をモニターで見せて、あなたも一緒に写真を撮りたいと言ったら快く承諾してくれたので、早速撮った一枚だ。

あるネットフレンドが、インドの人には眼力(めぢから)が有ると教えてくれたが、目に力が有るのは生命力の現われであると痛感する。

微笑をたたえた彼の眼は、優しさと力強さを持って鋭く迫ってくるものが有った。

しかしその目は、ただの優しさだけではなく、何かを訴えているような、奥の深いものであった。

子供を見守る慈愛の眼差しと共に、目の裏に隠された彼の胸中の深層に触れたような、複雑な輝きであったような気がする。