「狭いながらも」
<<インド>>--ヴァラナシ(ベナレス)--


ヴァラナシの街に到着し、ホテルに向かう途中の光景。

再び地上の人となった我々の眼前には、デリーとは違う光景が待ち構えていた。

子供を抱いた鮮やかなサリーの女性、その前には、これが家なのかと思う四畳半一間のような家の中で寛ぐ男性の姿があった。

戦後の日本の、焼け野原に建ったあばら家も、これほどではなかったような気がする。

しかし、この家に住む男性にとっては、狭いながらも楽しい我が家、と言った所なのだろうか。

インド第三の規模を誇る、ガンジス川の聖地が有るこのヴァラナシの街は、一段と貧しさを増した感が有るのを否めなかった。