「在りし日」
<<日本>>--自宅付近--


9月9日午後6時10分、4才年下の弟が急逝した。

この写真は2年前の10月の秋晴れの日、向かって右から二人目の私の隣りに居る、黒いポロシャツを着た弟とゴルフをした時の、プレー前の様子をキャディさんに携帯で撮ってもらった写真である。

この時はこんなに元気だったのに、去年の母の死を追うように、彼は突然あの世へと旅立ってしまった。

これで私も血を分けた肉親の全てを、あの世に送ってしまっことになる。

自分で言うのもおこがましいが、たった一人の兄弟である弟とは、傍で見ても稀に見る仲の良い兄弟だと、羨ましがられていた。

それは33才で早世した父の後を母親の手一つで、我々兄弟を育て挙げて貰ったと言う環境によるのかもしれない。

3ヵ月前に、急性肺炎だと言われて急遽入院はしたものの、死ぬまで病名は分からず、9日当日も主治医は異常無しだと判断し、5時過ぎに帰宅してしまった後に、突然の呼吸困難に依る心肺停止状態が発生し、病院からの連絡により、家族が駆け付けた時には、既に帰らぬ人となってしまっていたのである。

総合病院に有りがちな、人命軽視の現状を今更恨んでも彼は戻らぬから止めるが、これが現在の医療現状かと思うと、遣り切れない思いがする。

6日前、孫達を連れて見舞いに行った時、また元気になって共にゴルフをやろうと、握った彼の握手の強さが彼の生きることに対する意志の強さに思えたものである。

しかし帰り際にじっと私を見詰めて、手を挙げた彼の仕草が、目に焼き付いていて、未だに彼がこの世に居ない事が信じられないで居る私である。

編集 よいなー : 何よりも、良き、弟!!ご冥福を!!