「サン・マルティン橋」
<<スペイン>>--トレド--


古代ローマ時代に、トレドが城塞都市として設立された時に造られた唯一の橋である。

こうして現在でも、人が渡る橋として残っているのは驚きである。

橋の袂の石の塔は、外敵がこの橋を渡って攻めて来た時に、この塔の上から、敵を迎え撃つために造られたものであろう。

現在はもっと上流に、車などが通れる鉄の橋が掛けられており、タホ川を渡って街に入るのには、そちらの橋を迂回して通らなければならない。

15世紀にエル・グレコが描いたトレドの街の風景画にも、この橋は今と同じ原型のままで描かれている。

多分、現在に至るまで、幾多の補修工事は施されたであろうが、中世のままの姿を留めているのは、歴史世界遺産の名にふさわしい光景であろう。