「朝帰り」
<<日本>>--東京--


大地震が有った翌朝の、東横線学芸大学の駅ホームから撮った街の光景。

時刻は朝の7:20分頃であった。

雲一つ無い快晴で、街は何事も無かったかのような佇まいである。

しかし毎度見る光景だが、良く見ると大きな布のような物が、ビルの横に突き出た棒にぶら下がっている。

これは一体何なのか、地震の影響で、横断幕が破れてしまったのか、事情は分からない。

地震の当日は、自宅の状況が気になりほとんど眠れずに、早朝から娘のマンションの寝床から起き出して、テレビの電車の開通状況を見続けていた。

東武東上線が、間引き運転を開始したとのテレップが流れたので、早速娘の家を出た。

朝帰りをするのは、現役時代以来であった。

夜通し飲み明かしての朝帰りは、たまに有ったが、こんな形での朝帰りは始めてである。

しかし家に帰れず、駅や避難場所で夜を明かした人たちから見れば、身内の家の布団の中で寝られただけでも幸いであったと言えるだろう。

まだ路線はずたずたであったが、あちこち経由してやっと帰宅することが出来た。

この時も、首都の地震に対する脆さを痛感したものだが、特に山手線など首都を巡るJRの復旧の遅さは、目に余るものが有った。