「廃屋」
<<インド>>--ヴァラナシ--


嘗ては立派な大邸宅であったろうと思われる廃屋の光景。

この屋敷の主が栄華を誇ったのは、一体何時の頃だったのであろうか。

レンガの鮮やかな色彩には、今も往時を思わせる面影が有るが、塀は黒カビが蔓延し、庭には雑草がはびこって、人影も感じられない。

泥濘の道を行く一般市民は、こんな光景には全く関心が無いかのように、通り過ぎて行く。

嘗てインドはイギリス領だった。

その頃に、インドを支配していたイギリス人達が、インド建築の粋を尽くして建てた建物なのか、それともマハラジャの居住する住居だったのか、今にしては知る由も無い。

栄枯盛衰を現実に見るが如き光景である。