「険しい目」
<<インド>>--ヴァラナシ--


人が苦労して人力車を漕いでいるのに、なに写真なんか撮っているのだ、と言わんばかりの目付きである。

これは渋滞して動かなくなった車のウィンドから、直ぐ脇に来た車夫の姿を撮ったものである。

しかし彼等は私のこうした行為に、決して文句を言わない。

それはインドを旅してずっと感じていた事であった。

ある意味、このような厳しい生活の実態を、少しでも海外から来た我々に、分かってもらいたいという気持ちも有るように感じたものである。

この車夫はまだ中年の域であろうが、老いて車夫をやっている老人を見ると、思わず同情の念を抱かざるを得ない気持ちになったものだ。