「視線②」
<<インド>>--ヴァラナシ--


公園で一人で遊んでいた少年の横顔。

彼の見る視線の先には、一体何が見えるのであろうか。

太陽が当り眩しそうだが、聡明そうな彼の目には力が宿っている。

今日は深夜の1時過ぎからアメリカ初代黒人大統領オバマさんの就任式をずっと見ていた。

演説の中で、彼の祖父も明日の食事にことを欠く貧民の生活をしていたと有った。

しかし今はその孫の私が、こうして国家の舵取りを任せられる人間になることが出来た、と世界の変革に対する感慨を述べていた。

その場面と重ね合わせて、この少年も今は貧しい環境の中で暮らしているが、何時かは強い意志と希望を持って、新たなインドを支える一員となることを願わずにはいられない。

彼は堪能な英語で、この公園の脇にある遺跡寺院の説明をしてくれたのである。