「去り行く牛君」
<<インド>>--ヴァラナシ--


リンゴを食べた後、何処とも無く通りを歩き去る牛の姿。

憶えているだろうか、私の眼前で、店から失敬したリンゴを食べていた牛のアップを。

彼は、いや彼女かな…リンゴをむしゃむしゃ食べた後、私の前を離れていった。
また当て所も無く大通りを人間と共に牛歩して行く。

こうして見ていると、人間より牛の方が人生を謳歌しているようである。
いや、人生でなく牛生であろうか。

右上には、このヴァラナシの街の発展に寄与した人間の銅像が飾られているが、誰だったか忘れてしまった。