「磯に聳える」
<<日本>>--静岡--


遠州灘の浜辺から望む富士の景観。

この写真はかなり玄人好みのする作品だろう。
磯に打ち寄せる波をスローシャッターで煙のようにぼかしているからだ。

これだけ晴れた光源の元では、オートで撮ると波が氷のように止まってしまい、柔かな雰囲気が出ない。

敢て感度の低いリバーサルフィルムを使用し、シャッター優先で波をぼかし、手前から遠方まで、被写界深度を深くしてピントを合わせている。

デジカメの普及で、誰もが写真を手軽に撮れる時代になった今、確かな技術を持った者だけが、写真の差別化を計った作品を造れる好例であろう。