津山三十人殺し 七十六年目の真実
石川清
Gakken
筑波昭「津山三十人殺し」の便乗本なのだが筑波本の疑問点も書いている。しかしその点は「津山事件の真実」事件研究所におんぶしているようだ。
いくら毎年のように事件現場に行っているといっても事件後70年も後の話、証言者は当時子供の高齢者か伝聞。事件後16年に調査した筑波氏ならまだ当事者の証言が得られただろう。
大体三年前に「津山三十人殺し 最後の真実」を出しておいて、書ききれていなかったとは。また三、四年経ったらまた別の本を出すのだろう。
で一番ひどいのは皆殺しにされた一家の墓に没年昭和二十一年五月二十一日と刻まれていた、ここには呆れかえった。月日は事件の日付だが、昭和21年は第二次大戦後だ、津山事件は昭和13年支那事変の頃だ。
さらに「私は黙って、札所と墓地に黙礼した」とある。とても文章を書くプロとは思えない。
図書館から