朽ちていった命 被曝治療83日間の記録
NHK「東海村臨界事故」取材班
新潮文庫
図書館で予約多数なので本屋さんで購入したが、なんと岩波書店「東海村臨界事故 被曝治療83日間の記録」の改題文庫化だった。こっちなら予約も少ないし、写真も見易かっただろうに。
一番もろに中性子線をあびた人の治療記録。最初から8シーベルトくらいを被曝しているのは分かっているので助かる確率はゼロなのだが、本人は意識もしっかりしていて、看護婦さんや家族とも会話が出来る状態なので、東大病院に入院したのだ。
染色体はまさにバラバラ、移植した妹の「末梢血幹細胞」も体内の放射能を持った原子により傷つけられ、ただただ悲惨な結果に。なまじ意識があったのが気の毒。テレビ番組の抜粋http://www.youtube.com/watch?v=pYB58P3t_Hs

しかし助かった人の治療記録も読みたいものだが。「チェルノブイリ報告」では900レム(=9シーベルト)浴びたが骨髄移植で助かった人の奥さんが話している。

昔「原子炉の蟹」に原子炉内で自殺し一晩過ごした死体が放射線源となり、そのままでは廃棄できず、分解して捨てたとの記載があったような記憶があるが、ナトリウム24の半減期は15時間、一週間も経てば千分の一になるのだが。

この事故は原子炉内の事故と言えるもので、フクシマのように飛んでいる死の灰が降ってくるような場合の被曝とは違うな。