熊取六人組 反原発を貫く研究者たち
細見周
岩波書店
京大原子炉実験所の研究者海老澤、小林、川野、小出、今中、瀬尾氏たちに福島第一原発事故以前から取材していた作者。
序章(失われた春)から第五章(3・11と「六人組」)までは銘々伝。
伊方原発の中には放射性ヨウ素2000万キュリーあるが、最悪の事故でも994キュリーしか放出されない想定だった。原子力委員会が「炉心は熔けることはない」としていたので圧力容器も格納容器も壊れないことになっていた。
スリーマイルス島原発事故が収束していない、原因も分からない事故の二日後原子力安全委員会委員長は「今度のような事故は日本ではほとんど起こり得ない」との談話を発表した。
動燃はもんじゅの実験で54本の細管の25本が短時間で破断した結果を監督官庁、原子力安全委員会に報告しなかった。
「ある原発で事故が起これば国をあげてその原発固有問題にわい小化し、他国で原発事故が起これば日本は技術が優秀だからと無視する状況では、安全委員会がどんな提言をしようと、まったく無駄である」
図書館から