天一一代 明治のスーパーマジシャン
藤山新太郎
NTT出版
著者はプロのマジシャン、手妻の継承者。
苦心して明治の資料を調べたのはよく分かるが、文章がうまくない。もっと面白くなるべき素材なのにもったいない。
松旭斎の由来とか明治期のマジック状況なども載っているが、
スライハンドはスレイト ハンド(sleight hand)手練のことだそうだ。
感心したのは「奇術師が(略)不思議は成功すればするほど観客に緊張を強いてしまう。緊張が連続すれば観客は疲れてしまい、奇術を見ることが楽しみにつながらない。そうなると奇術は芸能として失格だ。そこで奇術師は不思議を強調しつつ、冗談を言い、寸劇を演じ、緊張を和らげる」
県立図書館から