日本の女帝の物語 あまりに現代的な古代の六人の女帝達
橋本治
集英社新書
「はじめに」から「数年前、日本では女性天皇に関する議論が起こりました。(略)各種の世論調査では「女性天皇容認」が多数派ではありましたが、それでどうなったというわけではありません。秋篠宮家にい悠仁親王の御誕生があって(略)議論もどこかへ行ってしまいました。(略)私が思うのは「みんな昔のことをよく知らないんだな」という、それだけです」
で「日本書紀」「続日本紀」を読んだ著者考えたことを書いた本だが、よくまあ読み込んだもんだという感想。
なにしろ古代天皇は譲位したり、二度即位(重祚)したり、腹違いの兄妹、姐弟?で子供を作ったり、姉妹、母娘で相続したり系図は複雑、分かりやすい図で書いてあっても難しい。
それを「中小企業の社長夫人」「母親の言うがままキャリアウーマンになってしまった女のマザコン」と現代風に分かり易くしてくれ、結局「女性天皇を戴いてその周囲に存在する男達の姿」が見えなくなり「天皇である自分とその周辺」しか見えなくなった女性天皇と周りの官僚達とのズレで女帝の時代が終わったのだと。
淡路廃帝=47代淳仁(明治天皇の追号)天皇なんてのもあったんだ。図書館から