原子力と報道
中村政雄
中公新書ラフレ
フクシマ事故の報道の噺家と思って図書館から借りたのだが、全く逆のマスコミ報道が原発への不安を大きくしているのはけしからんという本だった。もちろん著者は読売新聞くずれの科学ジャーナリスト。2004年発行。あまりにおかしいのでついつい完読してしまった。
原発がはじまったときは大歓迎だったのに、TMI、チェルノブイリ以後「ヒロセタカシ現象」で新聞が反原発に誘導した。これはポーツマス条約で政府を非難したのと同じなのだそうだ。(逆に大歓迎の新聞の方が誘導じゃないのかと私は思うが)
著者が取材では、ヨーロッパの脱原発は政争のためで本当は原発賛成なのだって。
あげくは「原子力報道を考える会」を結成、手紙を出しまくる。長岡昌、尾崎正直、石川迪夫(この人物は前に読んだ、原子力ムラの長老格)、阿部通子が同士。1500万円くらいなんとかなる家計だ。
「炉心内で作業をすれば、わずかとはいえ放射線を受ける。それを「被ばく」と書くのはオーバーな表現だ」などと書いてあるが「センスが一般の人とずれてきたからである。足で街を歩かず、ビルの中でコンピュータや役人や専門家とばかりつき合ううちに大衆感覚を失ったからである」のはこの著者のことではないか。
さらにGE元社員の内部告発はプルトニウム再処理を遅れさす米国の陰謀だって。図書館から

追、この明らかなインチキさはどこかで読んだ気がすると思ったら、
これ
だった。