謎物語 あるいは物語の謎
北村薫
角川文庫
短編集かと思って図書館から借りたのだが、推理小説についてのエッセイ集だった。
いや色々読んでいるのに感心する。また読んだはずが内容を覚えていなかったり、間違えて憶えていたりするは私だけではないことに安心した。この本に載っている推理小説にも読んだはずのものがいくつかあるが、内容を覚えているものは少ない。「不連続殺人事件」と同一トリックの海外著名作品?
聞かせどころは「作品は楽譜に当たるもので、それを演奏するのは読者である。読書は決して受け身の作業ではない。百人の読者がいれば、そこに百の作品が生まれる。名曲を弾くように、我々は名作を読む。そこにこそ読書の醍醐味がある」