原爆投下とトルーマン
J・サミュエル・ウォーカー
彩流社
「何十万の米兵の生命を救うための原爆使用」とか「二十五万のアメリカ人成年男子の命は、日本の二、三の都市に匹敵する」などの言葉は戦後に言い出されたもので、日本本土上陸作戦に代る核兵器使用という選択は無かった。
B-29による通常爆撃、海上封鎖、ソ連参戦、降伏条件緩和(天皇制維持)が揃えば戦争は1945年中におそらく終結しただろう。
原爆使用の理由(1)早期の戦争終結(2)マンハッタン計画の費用の正当化(3)ソ連に対する印象付け(4)原爆を使用しないという動機の欠如(5)「獣」への対処。トルーマン1945/8/1「私は真珠湾に対する日本の不当な攻撃と、わが国の戦争捕虜の殺害にひどく困惑したのである。…獣に対処しなければならない時は、相手を獣として扱わなければならない」
(2)は鋭い。(5)要するに人種差別が本当のところだろう。図書館から