隠される原子力・核の真実
小出裕章
創史社
副題が「原子力の専門家が原発に反対するわけ」
いまやすっかり有名になった著者の2010年の著作。放射線、原発の危険性など分かりやすく書かれている。更に二酸化炭素による地球温暖化説での原発の効用のインチキから、いわゆる先進国によるエネルギー浪費にまで論は及ぶ。
話し方はいまいちだが文章はうまい、なんでもっと本を出さなかったかのかと、あとがきを読むと既に発表した文章を集め、編集者が書き換えたものだそうだ。
特に驚いたのが、百万キロワットの原発では七度高い七十トン/秒の温排水がでる。日本で28番目の大河に匹敵する。更に、日本の全河川の流量は一年で四千億トン、出版時の54基の原発温排水は一年で一千億トン!
日本の原発の使用済み核燃料を再処理も行っていたウィンズケール(セラフィールド)再処理工場ではこれまでに百二十万キュリー超のセシウム137をアイリッシュ海に流していた。チェルノブイリの事故で放出されたセシウム137は約二百五十万キュリー。
川口図書館から