僧正の積木歌
山田正紀
文春文庫
ファイロ・ヴァンスの「僧正殺人事件」を読んだのは数十年前、たしか「グリーン家殺人事件」よりつまらない程度の記憶しかない。その「グリーン家」をエラリー・クイーンがもっと面白くしたのが「Yの悲劇」だったような気がするが…。
で、その「僧正殺人事件」が起きた家で同様にマザーグース見立て殺人が起こり、当時米国で人種差別を受けていた日系人が逮捕され、弁護のため桑港から若き日の金田一耕助がよばれる。と面白そうなのだが、なかなか読み難く、図書館の貸出期限を延長して三週間かかった。最後の法廷シーンからは一気にベッドの中で読み終わった。腕が冷たかった。