山田風太郎明治小説全集4
筑摩書房
風太郎の明治ものは「警視庁草紙」「幻燈辻馬車」を読んだが、次に何を読もうかと聞いてみると「明治断頭台」だとのこと。で図書館を調べると山田風太郎明治小説全集4があったので借りて読んだ。「明治断頭台」と「エドの舞踏会」の二長編だ。
「明治断頭台」はフランス女性が巫女となり死者の魂を呼び出して殺人事件の謎解きをする。感心したのは最初の下駄を使ったトリックだけだが。
「エドの舞踏会」は山本権兵衛が西郷従道の命令で、大山巌夫人の捨松と、鹿鳴館の舞踏会に各令夫人を誘う話。「政府のえらか人、みなさんそろって大美人ばかり奥さんにしとられもすなあ」「そりゃみんな西国の田舎侍で、江戸に進駐して、江戸の女を見て魂が飛ぶ思いがしたんじゃろ。しかも占領軍としてよりどり見どりじゃからの」