新・雨月 戊辰戦役朧夜話
船戸与一
徳間文庫
いやはや四月に読み始めたのだが、四ヶ月以上も掛かってしまった。上巻が4週間、中巻が8週間(しかも一旦返却したらまとめて借りた人が現れ2週間で読めるわけもなくまとめて返された)下巻に2週間。
戊辰戦争で新発田藩での西軍の扇動からの東北戦争で会津藩鶴ヶ城降伏までで、五稜郭での箱館戦争はない。主人公が三人なのも多すぎ、二人までにしてくれないと判りにくい。
榎本武揚の幕府艦隊が戦闘に間に合い、雪が降るまで長引いたら奥羽越列藩同盟も引き分けに持ち込めたかもなどと思ってしまうが。下巻の中盤に「暮らしに困れば、百姓はだれだって一揆を起こす。(略)幕府を倒し、天皇を中心とする新しい世のなかが来れば、かならず暮し向きはよくなると説得した。つまりな、藩の失政にたいする不満の捌け口を討幕運動に向けさせた。高杉晋作の奇兵隊や諸隊はそういう事情のもとに生まれ育っていった」
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