原発事故と科学的方法
牧野淳一郎
岩波科学ライブラリー
著者は天文学・天体物理学者だが、原子力に関する専門的知識がなくても高校の物理程度の知識で、今回の事故の規模を見積れた。
岩波新書の武田に三男編「原子力発電」とウェブでデータを集める。ウィンズケール事故では2万キュリー(800テラベクレル)チェルノブイリでは1エクサベクレル。テラは10の12乗、エクサは18乗。
3/15に関東に落ちた量は1万テラベクレル、チェルノブイリの二桁下、3/16にもウィンズケールの100倍で、すでにレベル7と計算していた。
WHOのレポートでチェルノブイリで甲状腺がん以外の発生はないと福島県は言っているが、レポートを読むと要するに
・汚染地域ではさまざまな病気が増えていることは確実である。
・でも、この増え方は従来の疫学調査(おそらく広島、長崎での調査のことを挿す)の結果に比べて多すぎる。
・だから、これは被曝そのものの影響ではなくて、ストレス、喫煙、飲酒などによるものかもしれない。
図書館から

良い本だが117ページソフトカバーで1200円、岩波は高い。