そして殺人者は野に放たれる
日垣隆
新潮文庫
刑法三十九条(心神喪失)で殺人事件で無罪判決が出る、または起訴されないのは不当だということを訴えているのだが、長年訴えているため出てくる事件が古いものが多いし(昭和50年代)事件は代わっても主張に代わりがないので、読んでいて飽きる。
とはいえ、精神鑑定の当てにならないこと、監禁九年二ヶ月の佐藤宣行は分裂病型人格障害、下関駅無差別殺傷の上部康明と池田小の宅間守は妄想性人格障害、バスジャック少年は解離性障害および行為障害、酒鬼薔薇は行為障害、性障害(性的サディズム)、解離性障害との鑑定結果だそうだ。しかも行為障害とは反社会性人格障害と同じなのだが、十八歳以上と条件が付いているため少年の場合は行為障害と診断されるのだと。
100円