大震災’95
小松左京
河出文庫
阪神淡路大震災の75日後から一年間、週一回毎日新聞に連載したものをまとめたものだが、文庫に付け足した小松さんの地震の体験を書いた「阪神大震災の日 わが覚書」のほうがよほど面白かった。特に意識しないで襖を開け、電灯を確かめ、洗面台で顔を洗い水道を確かめ、被害状況を見,軽く片付け、お茶を入れてもらってガスが切れていないのを確認した。
これに比べれば資料を集めるとか、神戸はいいところだとか、震度計が少ないとか、予知とか、東北の地震のあとではしょうも無いことが多い。
原発についてはほとんど書かれていない。せいぜい、対談で「私は以前、原子力関係の雑誌にいましたが、地震に神経質なのは原子力発電なんです。原子力発電所が危ないというと住民が反対するから、ディフェンスがめちゃめちゃ堅いのです。しかし、安全といいながら、その証拠はあまり出したくないのです。」くらいだ。
図書館から