ボーパール午前零時五分
ドミニク・ラピエール/ハビエル・モロ
河出書房新社
ボパールの殺虫剤製造工場の毒ガス事故について丹念なインタビュー、調査などで書いたファクションだが、いくらなんでも長すぎる。
インドの貧民の悲惨さと農薬の効果からはじまって、インドで大工場を建て、その周りに就職希望の貧民が住み着きスラム街を形成、けっこううまくいっていた。しかし工場の規模が大きすぎ、作ったほど売れず、中間品が在庫になり、予算が無くなり安全装置も外され、あげくは工場で生産自体を止め、工場自体を売ろうとしていた。で中間製品はイソシアン酸メチル、高温で水と反応するとシアン化水素などを発生するのだ。もちろん自治体には秘密だ。
マウスツーマウスの人工呼吸を試みた医学生が死んでしまうなどで、毒ガスはスラム街だけではなく近くの60万都市まで流れ込む。ちょうどイスラム教の祝日?で駅に着いた乗客は駅内で倒れる。
そもそも人口がハッキリしないし、一家全滅も多い、死亡者は1万6千~3万人と著者は推定している。図書館から